2011年 12月 26日
PARTENZA=出発。 スイス最後の日、雪を冠った山々と透き通った湖がいつも以上に美しく見えました。 何度も散歩をした湖畔とも、ひとり登山をした山ともお別れです。 帰りはミラノからチューリッヒ経由で成田へ飛ぶという変なルートをとったのですが、おかげでミラノーチューリッヒ間の飛行中、滞在していたマッジョーレ湖を空から眺めることができ、アルプスの山々にもさよならを言うことができました。 半年と2週間、滞在したスイス。 思い返すと、あっと言う間のようでもあり、長かったようでもあり。 とにかく一日一日が濃厚でした。 初夏の6月はじめ、到着したその日、チューリッヒ湖にそそぐ日ざしをとてもまぶしく感じたのを覚えています。 それから、夏のバカンス客で賑わう、学校のあるアスコナ、ロカルノへ移動し家探し、怒濤の製本の日々が始まったのでした。 今年は長期滞在者は私ひとり、他の生徒は皆一週間だけのコースのためにここへくる人たちばかりで、最初はさみしい思いもし、ドイツ語・英語・イタリア語・フランス語、コースによって主要言語が変わる他言語環境に途方にくれたときもありました。 悔しい思いや後悔もたくさんあったけれど、ここで出会ったたくさんの人、ものを今思い返して、しあわせな時間だったなあと、心の底から思っています。 学校で出会った先生の、とてもとても美しい手仕事、そして製本に対するいつまでも真摯で、さらにオープンマインドな姿勢。 世界各国からやってくる生徒たちとの話。各国の製本事情やプロで食べてゆくことの難しさを語り合ったり。 あたらしい製本方法や道具、素材について興奮して議論したり。 折り紙や和紙をはじめとする日本文化に日本人以上に詳しい人もいて、恐縮してしまったりもしました。 学校で出会った人たちの仕事場を訪ねて、ドイツやスイスを旅行もしました。 あ、夏休みには、農場で鋤をふるって干し草集めもしたのでした。 この半年で、経験したことはたくさん、本当にたくさんあります。 貴重な貴重な時間でした。 けれど、吸収したことを肥やしにして何かを変えていくのは、日本に戻ってきたこれからの仕事だと、思っています。 スイスで製本を再び学び始めて、それまでやっていた、知っていた製本というものを一から自分の頭で、言葉で、手で考え直すことになりました。 日本で製本を5年学び、独立して仕事をするようになって1年、しかしそれだけで食べていくのはなかなか厳しく、伝えたい思いや製本をする志もいい出会いに恵まれて少しずつうまく表現できるようになったものの、それを必要とする人たちとの間には温度差があり、また震災後変わってゆく世の中で本を手でつくるということはどういうことなのか…… もう一度自分の足元を見つめる必要を感じて、技術的にも、製本に対する考えの面でも再構築することを求めてここへ来たのでした。 スイスでは、とてもインターナショナルな環境で、製本に対する新旧の考えや技術を学ぶことができました。 そして仕事のかたちは色々でも、手製本でプロとして食べているたくさんの素晴らしい人たちに出会い、視野ががぱっと、広がったように思います。 日本にいるときにはこだわって考えていた「ヨーロッパ」と「日本」の違いも、あえて比較する必要はないのではないかと考えるようになりました。 その土地や文化に合った、その場所や時代で求められている「手で本をつくること」を真摯にやろうと、いまは思っています。 本をめぐる環境は多様をきわめています。 手で本をつくることで「本とは何か」を問い続け、本の身体と私たちの身体の繋がる糸を探していきたいと思います。 これからの日本での空想製本屋の仕事で、この思いをどのように伝えてゆくか、時間はかかるかもしれませんが、じっくりやっていきたいと思います。 半年間、ウェブでの連載の機会を与えてくださった往来堂書店の皆さん、店長さん、担当のHさん、どうもありがとうございました。 つたない文章を毎回読んでくださって、感想をくださったみなさま、ありがとうございます。 日本でのこれからの空想製本屋の仕事、どうか楽しみにしていてください。 (と言ってしまう!) 手で本をつくることでできること、繋がること、気づくこと、考えられることって、たくさんあるんです。 ぜひ、そんな手製本の素晴らしさを知っていただけたらなあと思います。 また、近いうちにこの連載を読んでくださっていた方々と、顔を合わせてお話する機会があることを願っています。 みなさまどうか、よいお年をお迎えください。 空想製本屋 本間あずさ #
by honno-aida
| 2011-12-26 13:14
2011年 12月 16日
12月に入り、町はすっかりクリスマスムード。 湖畔のプラタナスも光で彩られています。 週末になると、ロカルノやアスコナの至る所でクリスマスマーケットが開かれています。 ロカルノの広場には、スケートリンクが設置され、 しばらくの間静かだった町も、このクリスマス前の期間はにぎわいを取り戻しています。 スイス滞在もいよいよ終わりが近づいてきました。 学校では最後の2つのコースがおこなわれました。 このところ、伝統的な技法を学ぶ授業が続いていたのですが、 今回は打って変わって、糊をつかわないシンプルな製本をしたり、紙を折ったり切ったりしてさまざまなかたちのCDケースを作ったり。 紙という素材の可能性をあらためて探る時間になりました。 これらが授業の中で学んだり、自分で発展させたりして作ったCDケース。 単にケースに装飾をするのではなく、「CDを機能的に収める」という課題の範囲で、紙を使って色んな造形を作りました。 折り紙のように紙を折るだけでできる、ポケットやおさえのある機能的な収納ケース、蛇腹につながるケース、「ふた」の形を工夫したケース…… 紙を折る、切るという単純な工程の繰り返しだけでできる、無限に広がる紙の可能性をまたも再確認したのでした。 そして、糊を使わず糸や紙の支持体で本を綴じる製本。 糸で本を綴じる、というだけでも、その方法は何十種類もあります。 本の背を糊で固めない製本は、綴じそのものを効果的なデザインとして見せることができます。 まるで背に刺繍をしているようですが、これがちゃんと丈夫な綴じの構造なのです。 そして糊を使わない製本のいいところは、本がとてもよく開く、ということ。 紙と糸という素材だけをつかって、本の構造がそのままデザインになる製本方法。 工夫次第で、見たこともないような本のかたち、まだまだ新しい造形をつくることができるのです。 伝統的な技法を学んだあとに本の構造や紙の造形の自由な広がりを見て、 古いものと新しいもの、基礎と応用、複雑さと簡素さ、これらのバランスをよく意識して仕事をしようと思いました。 さて、これで半年におよぶ学校での勉強は終わり。 本当にあっという間の、必死で駆け抜けた毎日でした。 いまはこれまでのスイスでの日々と、これからの日本での日々を思い、 さまざまな気持ちが溢れてきています。 馴染んだ湖の風景、山々、お世話になった先生たちに しっかりありがとう、を伝えて、これから帰国の途につきます。 まだざわざわと落ち着かない気持ちですが、次回、最終回で、まとめを書きたいと思います。 #
by honno-aida
| 2011-12-16 01:08
2011年 11月 30日
11月も終わり、日増しに寒さの増してゆくこの頃。湖畔のプラタナスは葉を刈取られて冬仕様に。夏のような明るさはないけれど、晴れた日には冬の透きとおった空気に湖と山の風景が映えて、とても美しいのです。 秋から、クラッシックな技法を学ぶコースが続いています。 先日は2週間かけて、French binding、フランス式総革製本を学びました。 この製本方法は、美術・工芸製本の中でも、いちばんといっていいほど丁寧で細やかな作り、また時間のかかる製本様式です。 美術製本界(?)の中で昔から君臨してきた王さまのような本、オートクチュールの本、とも言えるかもしれません。 ヨーロッパの愛書家や製本家の間では、敬意を持って扱うべき、特別な本として未だ支持を得ています。 私も日本でこの製本様式を学びましたが、自分の仕事でこの様式の本をつくる機会はなく、この技法への強い欲求はありませんでした。 しかし今回スイスで再び学び、その完成された技術の素晴らしさにあらためて感じ入ったのでした。 その工程ひとつひとつに、製本家が手で本を作ってきた長い長い歴史の断片を見るような思いがするのです。よくぞここまで、と言わんばかりに手をかけられて作られる本には、ひとの、本への敬意が詰まっています。 さて前置きが長くなりましたが、French bindingの長い工程のいくつかを簡単に紹介したいと思います。 こちら、綴じる前の本。麻ひもを芯にして、糸で本を綴じていきます。 これは背の丸み出し。 糸で綴じられた本は、その糸の分だけ、背が厚くなります。 その厚みを外に逃がして、背を丸くし整えるのです。この工程では金づちで本の背をたたき背を丸く整えていきます。 ここまでは他の製本とあまり変わりません。 今回は、本の天に金箔で化粧をする、天金にもはじめて挑戦。 本の天を断裁機で切り、鏡面のようになめらかになるまでやすりがけした後、金箔を貼っていきます。 先生の作業のようす。金箔が貼られた天を磨いているところです。 そして、French bindingでは花ぎれを「編む」のです。 ドイツ式とフランス式花ぎれの方法を教わりました。 写真はドイツ式花ぎれ。二本の絹糸を組みあわせながら、縞模様を編んでいきます。 この後も本をプレスしたり、粉まみれになってやすりがけしたりと様々な工程があります。 次の写真は本に貼られる革を漉いているところ。 まず機械を使って革漉き、次にナイフで細かな革漉きをします。 すべて均一の厚みに整えるのではなく、本の部位にあわせて、異なる厚みに漉いていきます。 人間の身体も部位によって厚みが違うように、本が機能的に動くために、端正なかたちになるために、この革漉きの工程は欠かせません。 そして革を本に貼り付けているところ。 花ぎれにわずかに「帽子」のように革がかぶさるように、形よく整えます。 この後も見返しの貼られる表紙内側に紙を貼ったり、表紙のつなぎ目に革を貼ったりと作業は続きます。 次のコースでは、この本に装飾を施しました。 ベルリンの材料店で見つけた真鍮版と、さまざまなトーンの青のシルクを組み合わせたモザイクです。 本の内容をよくよく咀嚼して出来上がったデザインです。 こうしてfrench bindingに取り組んだ3週間あまりの日々は、ヨーロッパの製本の歴史の厚みを感じる濃厚な時間になりました。 技術的には難かしく苦労も多々ありましたが、この技術と経験を日本でどう応用できるかがこれからの課題です。 実際の仕事に使うことはないなのかもしれませんが、古典的で完成されたこの技術から応用できるものはたくさんある、はず。 ヨーロッパの製本の技術をそのまま輸入しても日本に根付くことは難しい、日本で製本の仕事がもっともっと育つためにはどうしたらいいか、帰国までもう少し模索の日々は続きます。 #
by honno-aida
| 2011-11-30 18:04
2011年 11月 21日
11月はじめに、一週間のドイツの旅へ出かけてきました。 アスコナの製本学校で出会った人たちを訪ねたり、本や印刷にまつわる場所を見て歩いたり。 スイス、ロカルノから出発して、駆け足でドイツを半周する、長い長い列車の旅となりました。 アルプスの南から北へ峠を越えて、さらにさらに北上。 ロカルノでは晴れた日にはまだ日ざしを楽しめるような気候だったのですが、ドイツでは冬の訪れを感じさせるような曇天が待っていました。 友人はこれが典型的なドイツの天気、と笑って教えてくれたのでした。 さて旅の最初の目的地はMainzのグーテンベルクミュージアムです。Mainzは活版印刷の父、グーテンベルクの故郷なのです。四十二行聖書も、幾冊かを見ることができました。ここには製本博物館も同じ建物の中にあり、ドイツの製本の歴史を辿ることができます。 そしてKöln,さらにDüsseldorfへ。 ここでは、アスコナの製本学校で出会ったUlrikeが働く製本工房を訪ねました。 こちらがその工房、buchbiderei mergemeierのショールーム。 お客さんと、様々な本のサンプルを見ながら、どんな本が作りたいのか、作れるのか、話し合う場です。 彼女の工房では、季刊誌の合本から、結婚式のアルバム、写真家のポートフォリオやアーティスト・ブック、そして本の修復と、幅広い注文を受けています。 働くのは10人以上と、手製本の工房としては大きい方のようです。 様々な機材が並ぶ工房に立つUlrike。 色々な本を見せてもらいましたが、なかでもアーティストが本を作品として発表する、アーティストブックの製本の仕事は、とても美しいものでした。 工房にはギャラリーも併設されていて、様々なアーティストと協力して、お互いの仕事を高めていこうという姿勢が素晴らしいなあと思ったのでした。 Düsseldorfでは、Ulrikeの紹介で日本人のオーナーが営むletterpress(活版印刷)工房も訪ねることができました。 "Letterpress77"主宰の松本さんは、アメリカでデザインと活版印刷を学び、ここで工房を開いたのだそう。街路樹のならぶ道に面して大きな窓が開かれた、とても明るく開放的な雰囲気の工房です。 活版印刷で、名刺やポストカード、グリーティングカードなどなど、さまざまなオーダーに応えて印刷物を作ってらっしゃいます。 身近なところに活版印刷を。 日本でももっともっと街に開かれた活版印刷の工房ができたら素敵だと思います。 この後は一路大都市、Berlinへ。在ベルリンの日本人の友人に街を案内してもらい、久しぶりに都会の刺激に触れました。 路地裏の小さなギャラリーを廻ったり、古本屋さんをのぞいたり、アートブックショップを訪ねたり。街のどこからでもにょきっと空に向かってそびえるベルリン・タワーを望める、旧東ベルリンの雰囲気が好きになりました。 旅も後半、今度は南下してHalleそしてLeipzigへ。 アスコナで出会ったPatriziaを訪ねて、彼女の学ぶ、Halleの美術大学を訪ねました。 かつて城として使われていた建物をまるごと利用して、陶芸や彫刻、さまざまな工芸の工房と教室が開かれています。 彼女はここで、BuchKunst (BookArt)を学んでいます。本をテーマにしたアート、という意味ではなく、本を作ることにまつわる様々なアート、つまり製本やタイポグラフィー、印刷、グラフィックデザインやブックオブジェまで、この専攻の学生が学び、制作するものは多岐にわたります。 こちら教室内のようす。広くて作業もしやすそう。 本をつくることがアートの一分野として確立され、それを専攻できる大学があるとは、うらやましい限り。ぜひ日本でも、と切に願います。 この後はPatriziaの住むLeipzigへ移動し、町を案内してもらいました。 Leipzigも、出版、印刷業で古くから栄えてきたところ。そしてまたアーティストや学生も多く住む、活気に溢れた町です。 ここにもまた、BuchKunstを学べる大学があるのです。そして町のいたるところに印刷や本の「におい」が。 楽しげなイベントや展示も盛んに行われていて、まさに印刷や本まわりをめぐる物事の中心、といった感じです。 ここは、紡績工場の跡地に様々な工房やギャラリーが集まる場所。Halleの大学を卒業した方の製本工房も。 別種のものづくりの人たちが隣り合い、互いの存在を感じあいながら制作できる環境、理想的だと思います。 他にも印刷博物館を訪ねたり、存分に本や印刷にまみれて刺激的な時を過ごしました。 この後14時間に及ぶ帰路ではさすがに疲れきってしまったものの、 ドイツの旅はどきどきするような本や、人との出会いに溢れたものでした。 長く、深い歴史を持ちながらも、どんどん変わり発展してゆくドイツの本をめぐる世界。 製本の技術や考えを学ぶことは大切だけれど、広く目を開いていようと思いました。学ぶことは増えつづけるばかりです。 #
by honno-aida
| 2011-11-21 20:47
2011年 11月 09日
秋もみるみる深まり、周りの山々の紅葉も真っ盛り、それに反比例するように、みるみる人が少なくなってゆく最近のスイス、アスコナ。 写真は最後の賑わいを見せた、「栗まつり」のようすです。 この後、早くも冬休みに入ってしまったレストランやお店も。 バカンス客がいなくなって静かになった町で、製本に集中するにはうってつけの環境、でもあります。 先日まで、2週間に及ぶ「箔押し」の授業に参加していました。 今回学んだのは、手作業で革装の本に金箔などを装飾するとてもクラシックな技術。 その歴史は700年。もともとは、製本家と箔押しの装飾をする職人は別々の職業で、つまりそれほど専門的で、 熟練を要する技術なのです。 先生のEdwinは4年間パリにあった学校で技術を学んだそう。 数少ない、箔押しも製本も一流にこなす、ものすごい人物です。 その隙のなく、美しい技術には本当に何度もため息をついたのでした。 このコースは参加者も最大で、8人。ドイツ、デンマーク、イタリア、イギリス、スイス、日本と国籍も多様でした。 はじめは、スタンプインクを道具につけて、紙の上でひたすら練習。 まっすぐ押せているか、道具に圧力が均等にかかっているか、身体の使い方や足の位置まで、まるで体操をしているようでした。 トレーシングペーパーに作図の後、空押し(箔を貼らずに直接革の上に押す)をして、革に図柄を写していきます。 こちら、図柄を写し終えたところ。本の上ではなく、ボール紙に革をはったプラケットで練習をしました。 右に見える真鍮製の道具をバーナーで温めて、さらに手で圧力をかけて革を凹ませ、模様をつけていきます。 道具は、細かな装飾がされたスタンプや、線を押すためのシンプルなものなどさまざま。 この後異なる温度で三回に分けて空押し、その後金を貼るための定着液をつけ、ようやく金箔を貼る準備ができます。 箔押し、とはいっても金を触らせてもらえたのはようやっと5日目。 金を貼るまでの工程がたくさんあるのです。 表には見えないけれど、準備の工程が大事なのです。 こちらが金箔。gold leaf というくらい、息を吹きかけただけで飛んでいってしまうくらいとても薄いものです。 こちらは、先生がロール状の道具を使って線を箔押ししているところ。 道具もそれぞれに個性があり、まっすぐ均一に線を引くだけでもかなりの訓練が必要です。 4年間で学ぶ技術を2週間で学んでいるわたしたち。 やっぱり最初からうまくいくわけはありません。こつこつと積み上げていく訓練の重要さを噛み締めたのでした。 このコースでは、金箔押しだけでなく、空押しや革のモザイク、キャンドルプリントの技術も学びました。 すべての技術がこの一枚のプラケットの上につまっています。 写真はキャンドルプリント。ろうそくの「すす」を道具につけて、革に押すのです。漆黒、といった色になります。 丸い本の背にタイトルや線を押す練習もしました。 私の手元のようすです。ぎこちない…。平面に押すだけでも難しいのに、丸い背への箔押しは身体の使い方や力のかけ方が一段と難しかった。 恥ずかしながら、最初の一週間は右手と肩がかなり痛んだのでした。 こうして身体を痛めながら、2週間箔押しに向かい合ったのですが、 終わってみて思うことは、「こつこつ」にかなうことはないなあということ。 今回学んだ技術や装飾はとても古典的なもので、実際の本に応用されることは今ではかなり少なくなっているけれど、いまの本に応用できるとても大切な素地になるのだということ。 地道にこつこつ、毎日訓練することでしか得られない技術、そして技術をこえた体感、とでもいうようなものがあるのだということを再確認しました。 もちろん、そんな体感を得られるのはまだまだ先のことになるだろうし、それまでは「こつこつ」、ずるをせず、真摯に技術に向かい合うことだなあと、なんだか数百年前の箔押し職人の思いを追体験するような日々でした。 ここスイス・アスコナにも、秋をこえて、もうすぐ冬がやってきます。 #
by honno-aida
| 2011-11-09 02:18
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