2011年 07月 02日
学校のあるアスコナへ着いて、2週間が経ちました。 2つの製本講座を終え、アパートでの生活も始まり、少しずつここでの暮らしが「日常」になってきています。 なぜだか、不思議な縁があってしばし住むことになったこの場所。 スイスのイタリア語圏という日本ではあまり馴染みのないこの地域を、簡単にご紹介したいと思います。 東京でのせわしない日々からしてみると、ここではすべてがゆったり。 町ではどこからでも山が見晴らせ、湖や川など水が常に近くにあり、この大きすぎる自然の前ではどうしたって肩の力が抜けてしまいます。 植生もおもしろく、町中にはモミの木とヤシの木、オリーブの木が混在しているのですよ! アパートの部屋の窓からはどっしりと横たわる山が見えます。アルプスは望めず、標高の低い山ばかりですが、こんなに近くに山を感じて暮らすのははじめて。 稜線がくっきりと、樹の一本一本もなぞれるくらいに近く感じます。 時には飛行機が白く延びる煙で空に模様を描きながら旋回していたり、パラグライダーが飛んでいたり。 これはアパートの近くを流れる川。山沿いにも家々が建ち並んでいるのが見えます。川の流れ着く先は湖。すごく綺麗な清流ですが、水はもちろん、とても冷たいのです。 こちらは隣町、ロカルノの丘の上に建つ教会から町を見下ろしたところ。 湖船が走っていますね。 こんなに自然が美しいところだから、バカンスにたくさん人が訪れるのも納得、という感じです。 ここでは、水の際、山の際、自然と人の暮らしとの境目がとても近いところにあるように、私には感じられます。 次は町中へ。 こちらは学校のあるアスコナ中心街の路地。 アスコナは、湖の沿岸にこじんまりと広がるほんとうに小さな町なのですが、リゾート地らしく、中心街には黄色やオレンジ、カラフルな壁の家々が並び、古い町並みがきれいに保存されています。 家の屋根は日本と同じような瓦屋根で、どことなく安心感を与えてくれます。 ただ瓦の色は鮮やかな壁の色に合わせて、明るいオレンジや茶色なのです。 路地の奥に見える、マリアさまの壁画が描かれた建物が学校です。 もちろん100年以上は経っている建物ですが、古さを活かしながらも現代風に使いやすく改装されています。 定時になると、写真に見える教会の鐘が鳴らされます。耳に心地よい、澄んだ音色です。 観光名所も挙げておきましょう。 こちらはロカルノの中心地、グランデ広場。 8月にはこの広場に巨大スクリーンが設置され、映画祭が開かれます。 今年は日本からもあの方が!招待されていますね。 さてここはイタリア語圏なのですが、町の人々はイタリア語とドイツ語、大抵2カ国語を話します。メニューや看板の表記も2カ国語。ドイツ系の人々も多く住むからなのだとか。 こんな風にドイツ語とイタリア語が混ざりあう地域があるなんて、想像していませんでした。 国の中に4つも公用語を持つスイス。町の雰囲気もまるで違う国に来たかのように異なり、「スイス人」的気質はどこにあるのか、まだその全貌はつかむことができません。 でも至るところでスイスの国旗をかかげている家を見るし、ゆったりと、でも確かに、何か国を結びつけるものがあるのでしょう。 もしかしてそれはスイス全土に広がる、山と水に恵まれた自然だったりして、などとも思うのです。 滞在中に、時間をかけてスイスをみつけていきたいと思います。 さて次回は本題にもどって、美しい町での厳しい(?)製本修行のようすをお届けしたいと思います。
by honno-aida
| 2011-07-02 23:36
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